流学日記

東北出身の女子大生が、知り合い0から始まるシドニーでの留学生活をリアルに綴る実況中継ブログ

革クラフトデザイナーLouisさん〜48年間の挑戦〜


みなさんこんにちは!

 

海外では黒髪をトレードマークにしようとしていましたが、

海外の水道水か強い紫外線にやられたのか自然と茶髪になり

頼みにしていたアイデンティティを無くしつつある、ひなこです。笑

 

 

そんな私はシドニー中心地Circular Quay駅から徒歩5分ほど歩いたところにある

小さな革製品屋さんを尋ねました。

 

駅から出てすぐ目の前にあるこんな道をてくてく歩きます。↓

 

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ハンドメイド革製品「Louis Cardini The Rocks」

オーナー兼デザイナーのLouis Cardiniさん。

 

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なんて優しそうなオーナーなんでしょうか......

 

家族を彷彿とさせる、おじいちゃんのようなあたたかい物腰に

初対面とは思えぬ居心地の良さを感じてしまいました。笑

 

 

私がLouisさんを取材させていただいた理由、それはその人間性だけではなく

 

強いこだわり、且つそれを全うするための絶え間ぬ努力

 

に感銘を受けたからです。

 

 

 

Louisさんはなんと店の革製品を全て自分で

デザイン・製作・営業・ファイナンスまでこなしています。

まさにオールラウンダーです。

 

 

 

デザインは本当に素晴らしいです。

日本人好みのシンプルなデザインが多く、とても使い勝手が良さそう...

 

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セールストークも欠かしません。

一つ一つの商品の特徴や使い方、他のブランドに負けない魅力を

丁寧に教えて下さいます。

 

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会計もこなし、パソコンなどデジタル機器をフル活用してファイナンス業務も

ご自身でなさっています。

 

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そして何と言っても圧倒的職人歴の長さ。

彼は22歳でデザイナーの道に進み、

48年間

その道一本で今もバリバリ現役です。

 

 

「君はまだ21歳なのか。じゃあこれから何だって始められるね。

私みたいなデザイナーにだってなれる。」

 

と話すLouisさん。時間の捉え方ってきっと人生を大きく変えますね。

 

 

Louisさんはフランスで育ち、もともとデザインには関心をもっていたのだとか。

22歳でフランスのデザイン学校に通い、その道に進んだのだそうです。

 

 

最初は革靴製作の工房に勤めたのだそうですが、

「大量生産・大量消費」の製作に疑問を感じ、

工房をやめて、自営業を始めたのだそうです。

 

 

数年前まではご自身の店を5軒構えとても繁盛していたそうですが、

今は体力的な問題でこのシドニーの1店舗と郊外の工場管理に絞っています。

 

シドニーを選んだ決め手はズバリ、

暖かく晴れの多い気候と美しいビーチだそうです。笑

 

 

そんなLouisさんの革製品は、使い手の心情を汲み取った工夫

が至るところに見つけられます。

 

 

例えばこの鞄、背の部分には定期などすぐ取り出したいものを入れるための収納がついていたります。

 

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またLouisさんの大抵の商品はマチを広くとってあり、

中も携帯を入れるポケットや、チャックで細かく収納が分かれていたりします。

 

中の生地もオーナーこだわりの本革です。

 

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鞄ケースやロゴもご自身のデザイン。

 

商品一つ一つには、普通のブランドのようにナンバーではなく

オーストラリアの地名に由来した名前がつけられています。

下の商品は"Gosford"という名前で、

オーストラリアNew South Wales州にある都市を意味します。

 

 

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(ちなみにこの鞄はLouisさんのご好意でSpecial Priceで私が購入しました。笑)

 

 

一つ一つの工夫全てデザイナーであるLouisさんのアイデアによるもの。

 

ちなみに一つ一つのものづくりにこだわりを持ち、

丁寧に仕上げるマインドセット

日本文化の代表「寿司づくり」を模倣しているのだとか。

 

「日本を訪ねることは私の人生の目標の一つ」と話していました、

全然何もしていませんが日本人の私はなんだか誇らしかったです。

 

商品一つ一つに対するLouisさんの思いが計り知れません...

 

  

なぜそんなにこだわるのか?と尋ねたところ

 

「好みが変わればみんな大抵次の新しいものに買い換えてしまうけれど、

私は生涯ずっと愛され、使われ続ける革製品をつくりたい

 

 

とおっしゃっていました。

 

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ちなみに上のLouisさんが持っている黒い革鞄は、

Louisさんが作ってから25年経過しているそうです。

 

25年越しの傷やヨレは硬い革をしなやかにし、より肌に合うように変化するので

味わいが増しています。まさに生涯共にできる鞄です。

 

 

まさにこれがLouisさんの信念。

職人人生の軸ですね。

 

 

しかしこだわりをもって作るのも素晴らしいですが、

やはりビジネスを継続するには利益を生み続けることも当然必要になります。

 

その私の疑問に関して、

Louisさんの答えは学校教育をフル活用したことでした。

 

  

Louisさんの育ったフランスでは教育が発達していて、

デザインなどの専門分野はもちろん、

その運営に必要な Accounting(会計学) も学んでいたそうです。

 

 

Louisさんはこうおっしゃっていました。

 

会計学だけじゃない。

音楽の授業だって振り返ってみれば私のアイデアをつくっている。

全てが私の今までのアイデアを構築しているんだ。

つながらないものなんてないんだよ。

  

 

若かりし頃のLouisさんは自分の信じ歩んだ道で

立ちはだかったものには迷わず立ち向かったんだろうなぁ、と

この言葉を聞いて思いました。 

 

 

好きなことを生涯全うし続けるためには、

それを実現するために必要なことは選んではいられないのです。

 

 

言い換えれば、目標はそれぞれ個人の自由ですが

目標が決まれば、手段に自由はありません。

 

 

みなさん今立ちはだかっているものに何かしらの理由をつけて

逃げてしまったり、

サボってしまったりしていないでしょうか?

 

 

私は自戒もこめてLouisさんの言葉を噛みしめました...

 

「あなたがおばあちゃんになってもこの鞄は使い続けられるよ。

絶対ないと思うけど、もし壊れたら日本から送ってきなさい。

送料は半分払ってあげるから。笑」

 

 

そう言いながら、閉店過ぎまで質問攻めで居座り続けた私に

あたたかい笑顔を見せてくれました。

 

 

そしてたまたま電話がかかってきたLouisさんの息子さんの奥さん?と

なぜか私がLouisさんから電話を代わり、なんの接点もないのに

電話越しに挨拶を交わす謎の5分間を過ごし、

私は店を後にしました。笑

 

 

ぜひシドニーにいらしたらUGGブーツももちろんいいですが、

ぜひLouis Cardiniさんに会いに行って見てください(^^)笑

 

 

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ちなみにオンラインショップもあります!

本当にオールマイティーな70歳です。笑

よろしければぜひ😊↓

 

www.louiscardinishop.com

 

 

これからもみなさんに世界の素敵な出会いをご紹介していきたいと思います!!

ではではまた今度(^^)