東日本大震災ドキュメンタリー映画「一陽来復」オセアニア州初上陸・記念試写会!
みなさんこんにちは!
オーストラリアで暮らし始めて早半年が過ぎ、月日の早さを感じずにはいられないひなこです。
先日、東日本大震災ドキュメンタリー映画「一陽来復」の記念すべきオセアニア州初上映会をシドニーのNSW美術館にて、我々Japan Club of Sydneyレインボープロジェクトで主催させて頂きました。
Sydney Premiere Film 「Life Goes On」 シドニー日本クラブ創立35周年記念特別上映会「一陽来復」
上映会にお越しくださった来場客はのべ307名。
チケット販売数224枚、物販売上AUD$940、支援金AUD$1660(日本円で約13万7780円)となりました。
イベント収益は我々レインボープロジェクトの経費を除く活動費に寄付されます。
おかげさまで記念すべくオセアニア大陸初の上映会は大成功となりました!
映画のタイトルである「一陽来復」とは陰が極まり陽が生じること、つまり凶事が長く続いた後でようやく物事が良い方向に進むことを意味します。
この映画は東日本大震災発生から6年後、悲しみの底から這い上がってきた被災地(岩手・福島・宮城)の人々の美しさ、健気さを描いたヒューマンドキュメンタリーです。
女優の藤原紀香さん、声優の山寺宏一さんがナレーション、歌手の松任谷由実さんがエンディングを務め、日本での特別試写会では秋篠宮同妃両殿下並びに眞子内親王殿下がご来席された話題の作品です。
映画についての紹介は私の文章よりも、映画でナレーションを務めて頂いている藤原紀香さんの美しい声で理解していただけると良いかと思います。笑
シドニー当日のイベントについてはFacbookでも発信されているのでよろしければご覧ください。
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上映会当日はこの映画に登場する遠藤綾子様も宮城県石巻市から上映会のために遥々シドニーにお越しくださいました。
遠藤綾子さんは、震災の痛みから立ち直るため旦那様と共に被災地でのボランティア活動や、自身でコミュニテイを立ち上げ石巻市のものづくりを広めるなど多岐に活動を広げ、この映画でも中心人物として出演してくださっています。
この上映会は、現在米国でご活躍中の映画監督・ユンミア様から親日関係の強いオーストラリアでこの映画の上映会をぜひしてほしいとオファーを頂き、この度私も活動しているシドニーの東日本支援団体レインボープロジェクトが主催する運びとなりました。
結論からいうと、この映画は私は22年の人生で出会った中で一番胸に響いた素晴らしい映画でした。
東北出身だから、震災を経験したから、とかそういう理由だけではありません。
どんな人も、自分が生きる意味や日々を普通に過ごすことができることの尊さをぐさっと胸に問いかけられる映画です。
この映画は東日本大震災被災地の岩手・宮城・福島を舞台に、震災を経験した人々の今をただリアルに描いたドキュメンタリーで、ドラマティックな起承転結や派手な演出がある訳ではありません。
一コマ一コマに映し出される東北の景色や、出演者の方の眼差し、口からこぼれだす言葉、表情、全てがただただ美しいのです。
「それぞれいろいろなものを背負って生きていて、それは顔に書いている訳ではない。でも人が生きるってそういうこと。」
震災の被害に合った木工職人の方が映画の一コマで発した言葉です。
どん底の悲しみから這い上がり、やっとの思いで前を向いてたくましく、そして周囲にはやわらかに日々を生きる被災地の方の姿はあまりにも強くて美しくて。
見終わった直後、自分の生きる意味とは何か?と素直に考えさせられました。
会場の皆さんは上映会に来て下さる時点で震災に関してそもそも意識が高いのは事実です。
しかし映画上映後、私は物販をしながらお客さん一人一人の眼差しや声の抑揚が上映前とは確実に違うことを感じ取りました。
震災の痛みから立ち上がるため、綾子さんが新たに始めた女性中心のプロジェクト「イシノマキモノ」のメンバーの方が一つ一つ手作りした着物カードや、綾子さんの旦那様がつくった石巻市の材木を使った拍子木ストラップは上映終了後、瞬く間に完売。
力強いメッセージは言葉として直接表さずとも、人の心を動かし、行動を変える力があります。
この映画は被災地で強く生きる人々の姿を「伝える」ことで東北の少しでも力になりたい、そんな思いから撮影が始まっています。
私はブログや他のサイトを運営している柄「伝える」活動が多く、かといって並べて語るのも厚かましいですが、「伝える」ことは一時の人の感情を動かすことはできても現状は何も変えることができないんじゃないか...と思っていた時がありました。
しかしこの映画に出会って少し考えが変わりました。
「なかったことにしたくない。(亡くなった人々の)生きたかったんだっていう思いを、私たち残った人間が大切に守っていく。」
これは映画の中の南三陸ホテル観洋で働く社員の方の言葉です。震災直後はホテルで避難所活動をし、現在は震災の事実の風化を避けるべく毎日「語り部バス」を運行して発信活動を継続されています。
日々を懸命に生きる人々の姿を「伝える」ことは「伝わった」人の感情を変えた先に、その人の行動を変え、人々が生きた証を残すことは未来の教訓に生かすことに意義がある。
とこの映画上映会を通して感じました。
上映会後、運営メンバーで出演者の綾子さんを交えて食事に行かせて頂きました。
綾子さんは震災を経験されたとは思えないほど明るい人柄で、私たちには震災の話だけではなく冗談の混じったたわいのない話もたくさんしてくれるとても温かい方でした。
綺麗な人ってこういう人を言うんだな、とふと思った瞬間でした。
「節目と言われても何が変わる訳じゃない。ただ、みんなが刻みをつけてくれるから、もう一歩前に歩いていかなきゃって。」
映画の最後のシーンで綾子さんが放ったメッセージです。
みなさんにもぜひこの映画を見ていただきたい、試写会とかではなくて、日本で普通に上映してくれえぇと心底願ってやみません。(映画関係者各位だれかトドイテ。)
と思っていたら、日本で今後まだ上映予定の会場があるという情報を頂きました!!
とても前向きになれる映画なので、ぜひ近くの方は見て頂きたいです!!
シドニーでこのような素晴らしい機会に関われたこと、素晴らしい人々に出会えたこと、自分が東北に生まれたこと、今こうしてオーストラリアで学べていること、全てが当たり前ではなくて、かけがえのないことだと噛み締めた1日でした。
明日も頑張りましょう!!
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